揚げ物の基礎・上手な揚げ物のコツ

揚げ物の油

 

 

揚げ物ですからどういう「油」を使うかも非常に重要です。具材のコクを演出しようとする場合には、本格料理店では、動物性のラード(豚脂)、ヘット(牛脂)、ギー(山羊乳又はパーム油)を使用することがありますが、特に和食に限っていえば、ほぼ植物性油が使用されているようです。

 

食用油は乾性油、半乾性油、不乾性油に分類されますが、揚げ物に最適なのは半乾性油となっています。半乾性油の特徴は、常温だと流動性が低下しますが固まることがない点、オレイン酸、リノール酸が主体であり、サラダ油の原料にもなっています。

 

ごま油は醤油との相性が良好で、特に中華で多用されますが、和食にも使われます。コーン油は安定した風味、酸化が遅い点が特徴で、幅広く使用できます。綿実油は風味が良くて、高級なサラダ油、マヨネーズの原料になります。大豆油には特有のコクと旨味があるのですが、単一ではなく、他と調合されることが多くなっています。

 

特に和食の揚げ物ということなら、油の性質は淡泊な方が好まれます。料理店のお勧めは、菜種油の白絞油、太白のごま油、精製度の高いサラダ油などとなっているそうです。

 

白絞油というのは昔から料理屋で愛用されている油で、菜種油を精製したものです。加熱調理に最適で天ぷら油として使われますが、菜種油特有の性質による低温で濁るという欠点もあります。

 

太白胡麻油は生のゴマを搾った油で、焙煎したごま油よりも色も香りも薄いのですが、加熱すると香りが出てくるそうです。

 

サラダ油はいろいろな植物油を調合した精製度が高い油です。そのため、欠点が解決されていて万能に使えます。ちなみに「天ぷら油」と呼ばれているものは、サラダ油とごま油をブレンドしてあるものです。