揚げ物の基礎・上手な揚げ物のコツ

揚物の基本ポイント

 

 

さて、いよいよ揚げ物のコツ、ポイントに入っていくわけですが、前述の通りに、衣を使わない素揚げと、衣を使う衣揚げの2種類があります。

 

そもそも揚げ物は、言ってみればただ油で揚げるだけの単純な料理なのですが、それを難しくしている原因というのがあります。それは、材料の特性を理解せず、適した下処理をしていない。衣に関する知識が十分ではない。使用する油の性質を理解していない。という3つです。逆に言えば、これらがわかれば揚げ物は簡単に美味しくできるという事なのです。

 

材料についてですが、基本的には、余分な水分を抜くこと、急激な温度変化でも変形しないような工夫をしておく、というのが大切です。

 

例えば、エビなら伸ばしておく、イカなら切り目を入れておく、シシトウなど中に空気を含むものには串等でパンク防止の穴をあける、というようなことです。

 

使用する油の性質で影響が大きいのは天ぷらですが、空揚げ、変わり揚げでも衣を使用します。天ぷらの場合は、衣が重くなってしまう原因は小麦粉のグルテンです。グルテンが少ない薄力粉を使っても、かき混ぜ過ぎたり、温度が高過ぎると粘気がでてしまって重くなってしまいます。

 

ポイントは粉、卵、水も冷やしておことで、それで重くなるのを回避できます。また、衣は揚げる直前に作るのが理想的です。特に新鮮な活エビ、新鮮な白身魚などの材料は、サッと短時間で揚げて、できるだけ火の通りを押さえたいものです。そこで、衣をできるだけ薄めにして揚げるのがコツです。逆に冷凍品、鮮度が落ちている材料なら、衣を厚くしましょう。